2023年12月27日に、総務省による電気通信事業法の施行規則が改正されたことでスマホの割引規制が変更され、常時行われていた月額1円のスマホ販売は無くなり、スマホの価格も高くなってしまうと思われていました。
ところがいざ蓋を開けてみると、ソフトバンクがいち早くこの新たな割引規制に対応していました。割引規制変更当日に新たな支払い方法として、「新トクするサポート(バリュー)」の提供を開始したのです。
確かソフトバンクも他のキャリアと同じように、新たな割引規制に賛同していたと記憶しています。しかしその裏では、着々と新たな対抗策を進めていたようです。いつもだとドコモやauも同じような施策を同時に打って出るのですが、今回ばかりはソフトバンクが出し抜いた形です。
果たしてこれによりスマホの価格は維持されたのか、それとも高くなったのか。今回は、ソフトバンクの「新トクするサポート(バリュー)」を検証してみます。
ん?結局1円/月のスマホは無くならないの?
ソフトバンクに限って言えばそういうことになるね
あれだけ騒いでいたのはなんだったの?
やはりソフトバンクは一筋縄ではいかないってことだよ
従来の新トクするサポートとの違い
今回新たに「新トクするサポート(バリュー)」が開始されましたが、ソフトバンクには従来から「新トクするサポート」が存在していました。従来からある「新トクするサポート」はバリューの開始で「新トクするサポート(スタンダード)」に変更されています。(2023年12月13日に変更)
これにより「新トクするサポート」は2種類体制になりました。
ということで、従来からの「新トクするサポート(スタンダード)」と新しい「新トクするサポート(バリュー)」どこが違うのでしょうか。
スタンダードにバリュー...
また色々増えるのね。
新トクするサポートはこの2本体制になるよ
何がどう違うのかな
実質負担回数
新トクするサポートは、スタンダードもバリューも支払い回数は48回です。しかし、同じ48回でも実質負担の回数に違いがあります。
スタンダードは24回分が実質負担回数で、25回目以降の24回分が下取りとなり支払い不要となります。一方のバリューは、実質負担回数が12回分となっており、13回目以降の残り36回分が下取り扱いとなり支払い不要となります。
従来までのスタンダードの場合は下取りに出すことで2年間(24回)の支払い負担があったところ、バリューではこれが1年間(12回)に短縮されます。
スタンダードは負担回数が24回、バリューは12回ですよ
すべてのスマホが対象ではない
今回の「新トクするサポート(バリュー)」は、すべてのスマホに対して適用できるわけではありません。対応しているスマホはソフトバンクが指定した対象機種となり、その機種はスタンダードを選択することはできません。
2023年12月27日現在で「新トクするサポート(バリュー)」の対象になっているものは以下の通りです。
これらの対象機種は随時変更されるものと思われます。対象となるかどうかはソフトバンクオンラインショップで確認してみましょう。
ソフトバンクオンラインショップ予め利用できる機種が決まっているのね
実際の価格はどうなるのか
今回の新しい支払い方法である「新トクするサポート(バリュー)」の適用により、実際の購入金額にどのような違いが出るのでしょうか。従来のスタンダードの場合と比較してみましょう。
今回バリューの対象となっているiPhone14を「のりかえ(MNP)」の場合で確認してみましょう。
※2024年2月時点ではiPhone14はスタンダードに変更されており、代わりにiPhone15がバリューになっています。
ここで記載しているiPhone14 のスタンダードの価格は、ソフトバンクオンラインショップでのバリューが開始される前の価格です。
新トクするサポート | 端末価格 | 割引 | 実質負担額 | 支払不要額 |
---|---|---|---|---|
スタンダード | 137,520円 | -21,984円 | 19,800円(824円/月) 24回分 | 95,736円 24回分 |
バリュー | 137,520円 | -21,984円 | 12円(1円/月) 12回分 | 115,524円 36回分 |
ソフトバンクオンラインショップでのiPhone14 128GB の価格です。(2023年12月時点)
これでわかりやすくなりましたね。
iPhone14は既に新トクするサポート(バリュー)の対象機種となっているため、スタンダードでの支払い方法は選択できないのでご注意ください。(機種により新トクするサポートの種類が決められています)
端末価格は同じにも関わらず「支払不要額(13回目以降)」が調整され、「実質負担額(12回分)」が減っています。一見すると負担額が減り、安くなった印象がありますが、スタンダードは2年、バリューは1年で機種変更する必要があります。
それでは、バリューで2年間スマホを維持した場合はどうなのでしょう。同じくiPhone14をのりかえ(MNP)した場合で算出してみます。
端末価格 | 137,520円 | |
---|---|---|
割引 | -21,984円 | |
実質負担額 | 12回分(1年目) | 12円(1円/月) |
12回分(2年目) | 38,508円(3,209円/月) | |
2年間合計 | 38,520円 | |
支払不要額 | 77,016円 |
1年間で機種変更すれば総額12円の維持費で済むのですが、新トクするサポート(バリュー)で2年間維持する場合は維持費が38,520円に跳ね上がってしまいます。スタンダードの時と比べても15,948円の値上がりです。(スタンダードの場合は19,800円)それでも按分すると1,605円となるため決して高くはないのですが、片方が12円と思うと高く感じてしまいますね。
以前のように2年間利用すると実質の値上げになるよ
安く利用するなら1年ごとの機種変更が必要ってことね
1年間安く購入したあとは?
新トクするサポート(バリュー)で1年間だけは安く購入することができました。となると、次はスマホを下取りに出して新しいスマホを購入しなければいけません。もしくは上記のように2年目に突入するかです。
iPhoneの場合、毎年新しいiPhoneが販売されます。新トクするサポート(バリュー)の対象機種として、後継のiPhoneが対象になっていく可能性はあります。次の購入もバリューで購入するのか、それとも別の最新機種をスタンダードで購入するかになるでしょう。
ただし注意しないといけないのは、次回の購入は「機種変更」となります。のりかえ(MNP)で購入された場合は、のりかえの割引も無くなるので1円/月というわけにはいきません。実質負担額が増えることも想定しておきましょう。
あ、機種変更の場合は価格が上がるんだった
新トクするサポート(バリュー)まとめ
今回はソフトバンクの「新トクするサポート(バリュー)」を少し掘り下げてみました。「新トクするサポート(バリュー)」は対象端末がソフトバンクによって決められています。対象の端末を購入する場合は、一括購入以外は必然的にバリューでの契約となります。
このような購入サポートで購入する場合は一部では「レンタル」と言われています。月々1円で2年間なら「2年間1円レンタル」ということですね。2年後に返却することになるのでそのような表現もあながち間違いではありませんね。今回の「新トクするサポート(バリュー)」は、このレンタル期間が従来であれば2年だったものが1年に短縮されたと言っても良いでしょう。従って「1年間1円レンタル」ということになります。
ということで、スマホ利用を安く運用したい方は、1年で機種変更することになります。1年でスマホを新しくできるのは利点ですが、スマホのことばかり考えている訳ではないので1年はあっという間です。
それでも安く購入することができるのは間違いないので、この機会に検討してみてもいいのかもしれませんね。
今回の記事では、「新トクするサポート」自体の細かな内容や注意事項については省いています。それらを確認されたい場合は、ソフトバンクの公式サイトを確認しましょう。
ソフトバンクオンラインショップ